『やりがいの搾取』本田由紀(『世界』3月号)

『世界』3月号の中で本田由紀さんの文章を最初に読みました。ここでは長時間労働=働き過ぎの問題をとり上げていますが、面白いのは会社の圧力や職場とのしがらみを原因とする働き過ぎではなく、”自己実現系ワーカホリック”に焦点を当てているところ。自分の好きなことを仕事にし、仕事にのめり込んでいく若者たちは、働き過ぎではあっても充実しているし幸福であるかのように見える。しかし実際は経営者側が仕事の中に仕掛けたゲーム性・カルト性・奉仕性などのからくりによって、若者たちは巧妙にワーカホリックへと動かされていく、これは”やりがいの搾取”だと著者は言う。
労働・雇用問題の特集だからこのような視点で書かれているけど、”自己実現系ワーカホリック”を心理学的な視点-仕事依存-から読み解くとまた違った問題になると思いました。あらゆる依存対象の中で仕事は最も自覚を持ちにくい対象だと思います。自己実現し他から評価され、のめり込んでいるからといって罪悪感を感じずに済む。それだけに仕事依存者は少なくないと思うし、またそれが問題として表面化しにくいのでは…。
日本の社会がかなりの部分、仕事だけが生き甲斐と思い込んでしまっている労働者の長時間労働によって支えられているとするならば、人間らしい生活への様々なアプローチが不可欠なはず。制度的にも個人的にも論じられなければならない、大切な課題だと思います。

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この記事へのコメント

  • おいちゃん

    なかなかアクセスせきません。テスト01
    2007年02月18日 17:48
  • おいちゃん

    会員用のでアクセスは・・・テスト02できません
    今月の『世界』は読み応えのあるものですね。
    まだ途中ですが、やはり「社会が壊れていく」気配を
    感じています。
    2007年02月18日 17:53
  • 薫の君

    おいちゃんさんコメントありがとうございます!本田由紀さんの他の著書もぜひご一読を(^ ^)/ 『やりがいの搾取』は例としてバイク便ライダーがあげられており、バイクに乗るという趣味を生かした職業選択により働き過ぎに追い込まれていく様子が描かれていて興味深かったです。
    2007年02月18日 21:11
  • TOMY

    久しぶりにコメントを入れます。ここのところ、忙しくてブログを覗いてもコメントする時間がありませんでした。ご指摘の点は学校の部活動でもたぶんに見受けられますね。かくゆう私もかつてそうでした。1年365日部活をしていましたね。好きなことやる、成績も上がる、もう周りが見えませんでしたね。学校の仕事でも同じですね。仕事が全てになりかねない人がおおいといろいろ大変です。本人は絶対正しいことをしていると思っているし・・・。
    2007年02月18日 21:28
  • 薫の君

    TOMYさんこんばんは。対象が仕事であっても依存であることに変わりなく、やっぱりどこかにしわ寄せがいっていると思うんです(多くは家庭でしょうね)。好きこのんでそうしている訳でない方々も沢山いるから難しい問題だけど、『仕事で忙しい=デキるヤツ=カッコいい』みたいな風潮があるのもいかがなものかと。また、本田さんの言うように”企業が仕掛けたからくり”に対して正しい批判が集まるようになってほしいです。
    2007年02月18日 22:00

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